「僕のトレーニングの原点は劣等感からです」
そう語るのは、ライバルが非常に多いフィジークの大会で、世界チャンピオンに輝いた田村さん。
世界の第一線で活躍する日本のTOPフィジーカーであり、フィットネスブランド『IVTT(アイブイティーティー)』のモデルでもあります。
本記事は、『IVTT』の代表である大池が、フィットネス業界で活躍している方をゲストに招き、トレーニングや仕事のマインドなど、気になる点をインタビューする新企画。
記念すべき一回目のゲストは
・IFBB世界マスターズ選手権総合優勝
・IFBB世界選手権準優勝
・オールジャパンメンズフィジーク優勝
・ベストボディ横浜大会優勝
など数々のタイトルを獲得している田村(@yoshi.tamura)さんです。

田村宜丈 (@yoshi.tamura)
1972生まれ、インターネット黎明期から大手IT企業で働き、現在は役員を勤める。またパーソナルジム&エステサロン「V shape」のオーナー。筋トレ歴は20年以上になり、競技歴は2015年からコンスタントに出場。
[戦績]
・2016年ベストボディジャパン横浜大会優勝
・2016年〜オールジャパンメンズフィジーク連覇
・2018年アーノルドヨーロッパ準優勝
・2018年IFBB世界選手権準優勝
・2019年IFBB世界マスターズ総合優勝
名実ともに、日本を代表するフィジーカー。
田村さんと大池代表のインタビューは、前半と後半の2本立てとなっています。
前半は、上場企業の役員であり、フィジーク世界チャンピオンでもある田村さんのビジネスマインドやトレーニング論を中心に、後半は多くのフィットネス選手に愛されるIVTTの魅力について語っていますので、ぜひ最後までお楽しみください。
後半の記事はこちら
[次週公開]【インタビュー】大切なのは目の前の売上ではなく「お客様の幸せを優先する」IVTTのコンセプト。代表のポリシー(後半)
マハラジャ系ディスコの黒服として働いていたパリピ学生でした
大池:田村さん!今日はどうぞよろしくお願いします!
田村:はい。こちらこそよろしくお願いします。
田村さんは、めちゃくちゃ笑顔が爽やかなイケメンです
大池:本日はIVTTのモデルであり、愛用者でもある田村さんに世界チャンピオンのマインドやIVTTの魅力を教えていただきたいと思っています!
さっそくですが、簡単な経歴を教えていただけますか?
田村:はい、他の取材と同じだったら面白くないので、今まで話していない経歴をお話しようかと。今でこそフィジークにコミットしていますけど、学生時代はクラブ系の音楽にどっぷり浸かっていました。
大池:そうなんですか?
田村:当時流行っていたマハラジャ系列のディスコで黒服で働くパリピだったんです(笑)
爽やかな田村さんからの口からまさかの「パリピ」発言に一同爆笑です
大池:今までお仕事をご一緒しましたが、パリピは初めて聞きました(笑)
田村:その当時、ディスコで流れていたクラブ系のハウスミュージックにハマっていまして、もっと聞きたくて本場のニューヨークに遊びに行ったんです。
95年にニューヨークハウスのカリスマDJ「Junior Vasquez」のプレイを聞いて「なんだこれは?」と衝撃を受けまして。
「こんな世界があるんだ!絶対ニューヨークに住んでやる」と思い、一旦帰国した後、すぐに学生ビザを取得してニューヨークに住みました。
大池:凄い!
田村:ニューヨークは語学留学の名目で行き、週末はクラブに行ってハウスミュージックを聴く生活を繰り返していました(笑)
渡米して1年半ほど過ぎた頃、そんな不健康な生活も卒業して、西海岸にも行きたいなと思い立って、バイトで貯めたお金で車を買い、家の荷物を積んでそのまま大陸横断してロスに引っ越しをしたんです。
そして近所にあったキックボクシングジムがきっかけで、筋トレを始めました。
キックボクシングも似合いそうですね。
大池:ロスのジムがスタートなんですね
田村:そうです。その当時、23歳だったんですけど、筋トレにハマり本格的に始めた感じです。それで日本に戻ってきた後も筋トレは続けていましたね。
ちなみに、今の会社に入ったきっかけは、ニューヨーク時代のクラブ仲間と偶然にも東京で再会しまして。
それで「今なにやっているの?」といった世間話から、友人の働いていた会社が新規事業を立ち上げる最中だったので「手伝ってもらえないか?」と誘われて2000年に現在の会社にジョインした感じです。
そこからはがむしゃらに働きましたね。
大池:2000年と言えば、田村さんが最初に大会に出たくらいですか?
田村:そうですね。ボディビルの大会で準優勝したときです。
スポーツクラブで働いていたときのお客様がボディビルをやっていて、興味を持ったのがきっかけです。ただその後の大会は当分でてなくてですね……フィジークが流行りだした2015年の大会ぐらいから本格的に再開しました。
ここまでの話は実はしたことなくて、インタビューではこの後(フィジークと出会った後の話)からお話していますね。
大池:たしかに田村さんの過去の話、初めて聞きました!ありがとうございます。パリピの過去が聞けて良かったです(笑)
会社を休めないなら、仕事とフィジークを絡めて新しい仕事を作りだせばいいと考えたんです。
大池:ずっと聞きたかったのですが、大手企業の役員として活躍されている田村さんの仕事とトレーニングの棲み分けというか、両立はどのようにされているんですか?
田村:そうですね。2017年や2018年のフィジーク世界選手権を目指しているときは、正直、気持ちがフィジークに寄っていましたね(笑)
ぶっちゃけてくれた田村さん
田村:「きっちり区別してやっていました。」って言えればこのインタビューもカッコいいですけどね(笑)
大池:言えたらかっこいいですよね!仕事は仕事ですよって(笑)
田村:もちろん仕事は結果を出しながら本気でやっていました。
ただ、どうしてもマインドというか、大会前になるとソワソワしてトレーニングに集中したい自分がいるんですよ。
また世界選手権になると、一週間仕事を休まないといけない。
一般社員ならまだ有給があるのでいいですが、役員だと休みも取れないし部下に迷惑もかかるので相当悩みました。
大池:どうやって対処したんですか?
田村:オフィシャルで休みを取るにはどうすればいいか考えた結果「フィジークの世界大会を仕事に絡めて新たなプロジェクトを作ろう」と思いついたんです(笑)
さすが!仕事ができるビジネスパーソンです
田村:当時、取引先の製薬会社の担当と新しいプロジェクトの話が立ち上がっていまして、ちょうどフィットネスと親和性がある内容だったので「当社で一緒にやりましょう」と数千万円のプロジェクトを受託しました。
大池:行動力がすごすぎます(笑)
田村:内容もフィジークに関連するコンテンツを作っていたので、堂々と仕事としてスペインに行けたんですよ。仕事もうまくいきWin-Winでした。
大池:それで大会はどうなったんですか?
田村:それがですね……仕事に専念しすぎて大会の結果がボロボロでした(笑)
苦い思い出がよぎる田村さん(笑)
田村:仕事だけでなくほかの要素もありますけど、神経を使いすぎてしまいまして。フィジークに仕事を絡める発想はよかったのですが、どちらも真剣にやっていると両立するのは甘くないなと思いましたね。
人に任せる重要性。自分だけしかできない仕事に注目して細分化して考える
大池:田村さんほどの方でもやはり難しいのですね……
田村:ただですね、最近は仕事とトレーニングの両立がうまくコントロールできています。
方法は2つありまして。
一気に仕事の顔になった田村さん
田村:1つ目は仕事において自分の分身を作る。ようは右腕、左腕を作ることです。
自分じゃなくてもできる仕事は思い切って任せてみる。自分がすべての工程をやってしまいがちなんですけど、仕事を分解してみると本当に自分じゃなければできない仕事、他の人でもできる仕事と必ずわかれます。
ですので、僕じゃないと決済できない仕事に集中し、その他の仕事は任せる勇気をもってみる。
大池:たしかにとても大切な方法ですね。僕もついつい一人でやりがちです。
この企画も、最初はすべて自分一人でしようと考えていましたが、自分がインタビュー自体にさらにコミットするために、フォトグラファーやライターを手配しました。それと一緒ですね?
田村:そうですね。僕も悪いクセなのですが一人でやりがちです。ただ、仕事を分解して考えると自分のやるべきことが可視化される。
ですので、現在は自分の右腕や左腕の教育に力を入れています。
大池:めちゃくちゃ勉強になります。
役員でないとできない仕事に専念することで、結果仕事が早くなる訳ですね。
教育に力を入れる田村さん
田村:続いて2つ目ですが、すべてのタスクをGoogleカレンダーに入れて、それを実直にこなしていく。仕事もトレーニングもすべてです。
すべての予定を可視化することで優先的にタスクをこなしていく方法です。
大池:なるほど!それはすぐに真似できる方法ですね。
田村:やることが明確なので、忙しい中でもできるようになります。仕事だけでなくトレーニングも含めたタスク管理のおかげで、現在は仕事とトレーニングの両立ができていますね。
大池:とても勉強になりました。
今、トレーニングの話がでましたが、最近のトレーニングはどのような内容でされていますか?
田村:現在は週5でコンディショニングを中心にトレーニングをしています。
怪我をしてからコンディショニングの大切さを痛感したという
ここ数年はコンディショニングの大切さ、重要性をとくに感じている
田村:今まで(トレーニング)の無理がたたり怪我をしてしまったので、昔と違い高重量をあまり扱えなくなってきました。ここ数年はコンディショニングの大切さ、重要性をとくに感じています。
現在は、リハビリも兼ねてコンディショニングを中心にやっていますね。
大池:今までコンディショニングをあまりしていませんでしたか?
田村:そうですね。40歳すぎまでは勢いよくトレーニングをしていましたけど、コンディショニングをおろそかにしてしまった結果、怪我をしました。
本来、30代でコンディショニングの大切さに気づくべきでしたけど。
今は無理できないので、コンディショニングでしっかりケアしてからトレーニングを開始しています。
大池:コンディショニングの重要性は僕もわかります。
20代で膝をやってしまってからコンディショニングやケアに力入れていますね。
田村:そうですね。怪我をしてからは考え方が変わりました。常に120%の力を出すためにコンディショニング中心に身体をケアしています。
自分に言い訳をしない。それが僕のポリシーです
大池:田村さんは筋トレをずっと続けていますが、トレーニングを続ける極意といいますか、マインドセットはありますか?
田村:自分に言い訳をしないことですね。
めちゃくちゃカッコいいですね
田村:「もう年だから」とか「仕事が忙しいから」など『やらない理由』を探して言い訳をした時点で進化は止まってしまいます。
大池:いや……たしかに納得しかないです!
田村:もともと、僕のトレーニングの原点は、劣等感から始まっています。
身長が低い分、筋肉を大きくして見返したいというか、普通の人以上にサイズを大きくしたいという気持ちがありました。
正直、まだまだ若い選手に負けたくないってのもありますし、結果を出すために熱い思いがある。シンプルに「大会に勝つ」って目的、目標があるので常に勝つために自然にマインドセットされます。
ですので、今は大会を勝ち抜くために言い訳をしない。自分に言い訳をしないのがポリシーです。
田村さんとIVTTの大池代表の2ショット
世界チャンピオンの田村さんに、仕事やトレーニングのこだわりをお話いただきました。
仕事でもフィジークでも結果を出している田村さんの経営するジムはこちら
引き続き、後半のインタビューは「世界チャンピオンも愛用するフィットネスブランド『IVTT』とはどんなブランドなのか?」をトークテーマに対談していますので、ぜひご覧ください。
後半はこちら(次週公開)