「やってみて、自分を知ること。やってみて、世界を知ること。自分の現在地を正確に認識する。『客観的に自分を知る』ことを僕は意識しています」
こう語るのは、フランスのパリを拠点としてアメリカやシンガポール、日本など、世界を飛び回る中澤悠人トレーナー。
ゴールから徹底的に逆算して組み立てる指導方法は『身体の機能を最大限に高める』と話題になり、世界中で活躍するTOPアスリートも依頼をするほど。
本場アメリカのミスターオリンピアで活躍する、有名選手から直接学んだトレーニング理論。そして身体の仕組みを理解し、総合的にアプローチする指導がフランスでも人気です。
この記事は『IVTT』の代表である大池が、フィットネス業界で活躍している方をゲストに招き、トレーニングや仕事のマインドなど、気になる点をインタビューする連載企画の第4弾。
今回は中澤さんに、オリンピアで活躍する選手やトレーナーから学んだトレーニングの秘訣、運動している人であれば知りたいレイオフのタイミング、パリをメインにしている理由など、代表の大池が気になる内容を深堀りして聞いてきましたので、ぜひ最後までご覧ください。
中澤悠人(@goriza37)
1992年生まれ。フランス・パリをメイン拠点として活動するパーソナルトレーナー。在学中より日本の大手ジムにて活動開始。卒業後は渡米し、世界最高峰の舞台で活躍するボディビルダーや専門家に師事。深い専門知識と、幅広い観点からアプローチできるトレーニング方法が「パフォーマンスを最大限に発揮できる」と話題に。口コミだけで世界TOPプロから一般の方まで多くのクライアントに信頼される人気トレーナー。
大池:中澤さんはパリに住んでいるので、今回はZOOMでの対談です!
今日はよろしくお願いします!
中澤:よろしくお願いします!
大池:中澤さんの経歴はプロフィールでまとめていますが、現在やられていることを簡単に教えていただけますか?
中澤:はい。今は『身体の機能を向上させる』ことをメインに、身体の使い方を教えています。
たとえばスクワットは、フルボトムでしゃがめるとパフォーマンス、柔軟性、筋力の向上が認められているというエビデンスがあります。適切な可動域を出すため、その人に合ったエクササイズ指導をしたり、メニューの組み立てをしたり。今のは一例ですけど、クライアントはパワーリフティングやボディメイクで活動するプロ選手から一般の方まで幅が広いので、目的、目標に合わせた『身体の機能を最大限に引き出す』トレーニングを指導していますね。
大池:ありがとうございます。皆さんはやはり中澤さんの評判を聞いて、アドバイスを求めてくる感じなんでしょうか?
中澤:そうですね。僕は基本的に広告を出したりどこかに所属はしたりしていないので、完全に「中澤悠人」の名前と口コミだけでやっています。
大池:それはすごい!
中澤さんはアメリカやシンガポールなど世界を飛び回っていますが、現在フランスをメイン拠点としている経緯を教えていただけますか?
〜 フランス協会は国際経験が積みやすく、抜群のバックアップをしてくれる 〜
パワーリフティング選手のパートナーさんと二人三脚で世界一を取るべく挑戦中
中澤:フランスに来た理由は2つあります。
1:僕の奥さんがパワーリフティングをやっていて、フランスのパワーリフティングの環境が抜群によいから。
2:オステオパシー※1の勉強をしたかったから。
※1オステオパシー:1874年にアメリカのアンドリュー・テーラー・スティル博士により発表された徒手医学
1つ目のパワーリフティングは、正直アメリカのほうが知識やトレーニング施設はいいです。ただフランスは、協会や環境が非常に整っているんですよ。
大池:「協会や環境が整っている」とは、具体的にはどのような感じなんですか?
中澤:一番大きいメリットは遠征費です。国際大会の遠征費をすべて出してもらえる。
大池:なんと!
中澤:日本の協会は、国際大会への派遣の依頼はしてくれますけど、移動費は自費じゃないですか。ただ、フランスのパワーリフティング協会だとすべて(費用を)出してくれるんです。ですから非常に国際大会の経験を積みやすい。
大池:それは非常に大きなメリットですね。
中澤:フランスの国柄は、がんばっている人を積極的に応援してくれる文化があります。大会のあとは「そのまま旅行に行っておいで」と一週間くらい休みをくれる場合もあるので、趣味と仕事のバランスが非常に取りやすいです。それでフランスでやってみようと思うようになりましたね。
大池:たしかに…すごくいい環境ですね。
中澤:それと2つ目の理由がオステオパシーを勉強をしたかったからです。いわゆるトレーナーとして一般的なトレーニング論だけでなく、筋肉や骨の状態まで理解して総合的にアプローチできるようになりたいという想いがありました。
もちろんパワーリフティングと同様、オステオパシーもアメリカが発祥ですが、フランスも負けないくらい進んでいるんです。ただ……医学用語は難しすぎますけど(笑)。
大池:日本語でも難しいのに外国語ではなおさらですね(笑)。
中澤:今は医学用語の勉強をしつつ、平行して関係者や実際に治療される方とお話ししています。アプローチ方法やエクササイズ方法、検査の仕方を学んでいる最中です。
大池:それはすごい。なんでアメリカからフランスに行ったのか知りたかったのですが、今の話しを聞いていると納得です。
中澤:そうですよね。やはりパワーリフティングの知識や考え方、器具にトレーニング施設にしてもアメリカが断トツです。ただ、フランスの女子チームは52kg級と63kg級で個人優勝していたり、僕のパートナーもその環境に身を置いたりすることで、この間の9月の大会で世界2位になりました。
中澤さんのパートナー・Shizuka Ricoさん(@srico94)
9月にスウェーデンで開催された「IPF World Championships」の-52kg級においてTotal 417.5kgで2位を獲得
大池:世界ってのはアメリカも含めてですか?
中澤:アメリカも含めてです。選手が心置きなく世界で戦えるように、協会がすごくバックアップしてくれる。アメリカでも、大会の旅費は実費になることが多いです。でもフランスは旅費から選手をサポートしてくれます。だったら断然フランスがいいなって。
大池:たしかに旅費はかなりの負担ですもんね。(大会を)すべて自分たちの国でやるわけじゃないですし。
中澤:あとフランスの場合、条件次第で予選が免除になります。
大池:あー!それも大きなメリットですね。
中澤:日本でたとえると予選飛ばしていきなり全国大会、ナショナルズみたいな。フランスのナショナルズも、代表レベルの選手からしたらただの記録会みたいな位置付けになっちゃっていますので。
ですから、本当に世界で戦うための準備が整っている国なんですよ。そこが一番の大きな理由ですね。
大池:それはたしかにフランスを選びますね。
中澤:そうなんです。もちろんアメリカもすごくよかったですよ。渡米してオリンピアで活躍するプロの選手やトレーナーと出会えましたし、非常に多くの経験ができたからです。ただ現在は、先ほどの理由からフランスをメイン拠点としていますね。
〜 「自分がなにをしなきゃいけないのか?」そのマインドが完璧 〜
大池:なるほど、ありがとうございます。ちなみに渡米したときの話しも聞きたいのですが、アメリカはどこに住んでいたのですか?
中澤:最初はボストンです。僕の両親とすごい仲良い人がボストンに住んでいたので、その人を頼りに行きましたね。親からは「なにも決めずに行って、自分でがんばれ」と。
3日間のホステルのチケットがあるだけで、ホームステイ先も決めずにボストンに行きましたよ(笑)。
大池:なんとかする力がつきそうですね。ただ旅が趣味の僕でもそのやり方は普通勧めない……(笑)。
中澤:とくに母親が「頭で考えずに行動しろ。お前は頭で考えすぎだから行け」と。「あーじゃあ行ってみるか」って行ってみたら大後悔しましたけど(笑)。
ですが、最終的にアメリカに行ってよかった。なぜならオリンピアで活躍するプロ選手に出会えたからです。ボディメイクをしている人であればオリンピアのすごさをわかると思うのですが、大会に入賞するプロのトレーニング論を学べた経験が、僕の中で非常に大きなターニングポイントになりました。
大池:あーそれは本当にすごいですよね!
中澤:トレーニングもそうですけど、メンタルやマインド、食事から私生活まで、本当にすべてがプロフェッショナルでした。
大池:それはわかります。個人的に思うのは、ベニスゴールドジム(ロサンゼルスにあるゴールドジム一号店。ボディビルの聖地。)にいるような世界クラスのTOPプロは精神力が桁違いにすごいですよね。あれだけきついことや食事とかも、粛々と永遠にやり続けるじゃないですか。
中澤:そうですね。
大池:たまに魔法みたいなショートカットがあると思っている方が居ますけど、実際トレーニングや食事、すべてが100%できた上で初めて効果を発揮しますし、そもそもトレーニングや食事が70%くらいしかできていない人が魔法のことを考えてもまったく効果を発揮しない。
中澤:おっしゃるとおりですね。プロフェッショナルな方々ほど、自分のことを理解して同じルーティン、同じリズムで粛々とやっていますよね。
競技をやる上では「勝利したい」のが一番大きな目標じゃないですか。それに対して逆算して「自分がなにをしなきゃいけないのか?なにをしたら勝てるのか?」そのマインドセットが完璧な印象です。
大池:それが本当にチャンピオンのマインドセットというか、覚悟というか。
中澤:そうなんです。そのルーティンを苦しいと思っていないからかっこいい。僕もアメリカであったプロの選手たちは、勝つためのプロセス、メンタルを理解されているので弱音を吐かない。私生活も「勝つため」のことを常に意識されて行動していましたね。
大池:かー!私生活の覚悟から違いますね。尊敬です。
〜 プロは、勝つための逆算のプランニングができている人 〜
中澤:ちなみに、僕の知り合いに横浜DeNAベイスターズに所属する、山下選手という方がいるんですけど、彼もまさにプロのマインドを持っています。自分のなりたいこと、なすべきことのために苦労を惜しまない。
大池:なるほど。
中澤:「プロ野球の選手になる!」という明確な『ゴール』を昔から持っていたので、自分のメンタルが弱いと気がついてからは、大学生時点で苦手部分を克服するためにメンタルコーチを個人で雇っていました。
その結果がプロ野球選手になっているんです。自分を客観的に理解し、ゴールに向かってやるべきことを努力する。学生の部活でそれができている山下選手だったので「このマインド、精神力がプロ行くんだなあ」と正直感心しました。
大池:たしかに学生時代に「精神が弱いから」とメンタルコーチを雇うのは初めて聞きました。それはすごい。
中澤:すごいですよね。山下選手やアメリカで出会った選手たちは、一貫して自分のなりたい姿に向かって一直線に進んでいる。それが僕の出会った中で「こういう人が活躍しているんだな」と勉強になりました。
大多数の人がどこかで心折れるじゃないですか?でもプロはやはり違う。パワーリフティングでもそうです。強くなるため、勝つために逆算のプランニングができている人、そういう人が確実に勝ち上がっているし、怪我もしません。
大池:逆算の計算できるって大事ですよね。
僕も昔バンドをやっていたときに、プロの先生にギターを習っていたことがありまして。その先生は元々アメリカで活躍して日本に戻ってきた経歴がある方なんですよ。
その先生に「僕もバンドで大きくなりたいです」と話しをしたとき、「大池さんはどうなりたいんですか?最終目標とか夢はなんなんですか?どんな目標でもどんなことでもいいので教えてください」と聞かれたんです。
中澤:はいはい。
大池:僕は海外でバンドをやってみたいという夢があったので「だったらすべて逆算して考えなきゃダメですよ」と。「バンドをやるためには?、海外に行くためには?、どういう風にやるのか?、なにが必要なのか?、それらをすべて考えて逆算してやらなきゃダメですよ」と教えてもらいました。
実際そのあとはできていないんですけど(笑)。
中澤:(笑)。
大池:プロはすべて逆算して考えているんだなと。その先生も「○○歳になったら演奏をやめる」とかも決めていたんです。仕事も人生設計もすべてがっちりやっているので「これがプロなんだな!」と。
中澤:本当にそのとおりだと思います。
やっぱりそのイマジネーション、アクション、行動力大事ですよね。
〜 自分を知ること、世界を知ること、自分の現在地を正確に認識することを僕は意識しています 〜
大池:ちなみに中澤さんがトレーナーを目指したキッカケはなんだったんですか?
中澤:昔からずっと野球をやっていたんですけど怪我も多くて「いずれトレーナーになりたいな」と思っていたんです。それでトレーナーになる勉強も並行して始めたのがキッカケです。
ただ昔は野球もトレーニングも全然うまくいかなくて。それこそ逆算ができなかったし自分を客観視できていませんでした。
大池:そうなんですか?
中澤:僕は逆算しようとしているけど、自分のポジションがわからなくて正確に逆算できていなかった。未来が明確に見えてなかったんです。今までスクワット100kgなのに「来週には250kgあげる!」みたいな無茶な目標を立てて(笑)。
大池:昔は目標設定や自分の現在地もよくわかっていない、ぼやけている人だったと?
中澤:まさにそうです。高校時代「甲子園いくぞー!」と気合入れて、誰よりも練習したのに結局ベンチすら入れませんでした。でもそこで自分の役割を理解していれば、代打専門でベンチに入れたかもしれない。『客観的に自分を知る』ことができれば食いこめたかもしれない。
一生懸命練習しているのにうまくいかない。なぜだろうと思ったときに、学校が僕に求めていたことと、僕が目指している方向が違った。努力の方向を間違えた練習をずっとしていたんです。
大池:かー辛い!一番練習しているけど全然野球に結びつかなかったと。
中澤:そこに気づいてからは「今の自分に求められていることはなんだろう?」と考えるようになりました。今の自分を知って、社会を知って、求められることを知って、逆算していこうと。
やってみて、自分を知ること。やってみて、世界を知ること。自分の現在地を正確に認識する。逆算の前の『客観的に自分を知る』ことを、現在の僕は意識していますね。それが今の僕のクライアントに対して、指導方針やトレーニングの原点になっています。
大池:客観的に自分を知る!それはすごい素敵な言葉ですね!
中澤:ありがとうございます(笑)。僕はトレーニングを通じてクライアントが豊かになってほしいと思っています。たとえば僕のクライアントに70歳のおじいちゃんがいるんです。
突然なんですけど、その70才のおじいちゃんが僕のトレーニングを受けた目的ってなんだと思いますか?
大池:え? うーん……『70才のご婦人にモテる』とか?
中澤:正解は『力こぶを作りたい』だったんですよ(笑)。
大池:かわいいですね(笑)。
中澤:そうなんです(笑)。大きなゴールは大池代表がおっしゃった『ご婦人にモテたい』だと思うんですけど、そのおじいちゃんは「力こぶ、かっこいいじゃない」と言われたかったそうなんです(笑)。
大池:どのクライアントも全力なんだけど、めちゃくちゃ全力でサポートしてあげたくなりますね(笑)。
中澤:そうなんです。最終的に力こぶできて「いーでしょー」って見せてくれたことは嬉しかったですね(笑)。
〜 本当にお客さんに寄り添うなら正直に伝えるのが大事 〜
大池:それはトレーナーにとって最高に嬉しいですね。ちなみに中澤さんはトレーニング中のレイオフはどのように考えていますか?
中澤:少し最初の話しに戻るのですが、僕はパワーリフティングの選手やプロがレイオフを考えるなら、休みなく身体を動かし続けることが大事だと思います。なぜならディトレーニング※2になってしまうからです。もちろん状況によって休むのは大切です。
※2ディトレーニング:トレーニングの一時中止や小休止ではなく、完全に休むことによってそれまでのトレーニングの効果が消えてしまうこと。
中澤:競技の場合で考えると、トレーニングへの復帰が長くなってしまうので、目的から逆算したときに「間に合わないんじゃないかな?」と。
大池:なるほど
中澤:どんな方でもトレーニングをやるのであればゴールを決めた方がいい。それこそ一般の方であれば「夏までにシックスパックにしたい」とかです。それを踏まえた上でレイオフ期間があって問題がないかを計算する。
ですから結局のところ、レイオフ期間は目標によって変わってくると思っています。
大池:たしかに目標はクライアントに言ってもらった方がいいですね。
中澤:休みはすごい大事ですよ。ただ逆算した上での休みですけど。
大池:たしかに。短期で多い2ヶ月とかで、ある程度の結果を出すパーソナルジムはわかりやすいんですけど、本当にお客さんに寄り添うなら「こういう身体になりたいです」って目標を見せてもらって「この身体になるのに1〜2年かかります」って僕は正直に伝えます。
OKなら「1〜2年スパンで一緒にやりましょう!」となるし、逆に「うっすら腹筋を割る程度であれば急げば2ヶ月でいけますよ」なら、クライアントも目標が明確になって「それならがんばれます!」と思えるかもしれないですよね。
中澤:まさにですね。ちなみに大池代表のレイオフの考え方はいかがですか?
大池:痛みを感じている場合なら「痛みがなくなるまで休む」と提案します。
どうしても一般の方は仕事で忙しかったり、ムリして怪我しちゃったりするかもしれない。ですから「休むことにネガティブにならないでください」というメンタル面で伝えています。
中澤:それはおっしゃるとおりですね。
さきほどは競技選手の話しでしたが、僕も一般の方が調子悪そうだったり、ムリしてそうだったりしたら、いきなり強度下げたりします。プログラムを崩してでも休ませた方がいい、リカバリーさせた方がいいタイミングだと思いますから。
大池:そうですね。「続けるために休め」です。僕自身の場合もなんですが、やりすぎてトレーニング嫌いになりそうになったり、乗り気じゃなかったりしたときに行くと怪我したりとかも実際に経験してきています。
それで「またやりたい!」となったときにトレーニングできないのが一番ストレスになるから、わりと自分への言い訳で使っています。「レイオフだから〜」と言い聞かせて余裕を保つ。自分のモチベーション維持のために必要かなと思います。
中澤:たしかに。
大池:逆に「毎日やります!」とおっしゃる方もいます。もちろん毎日トレーニングをする用のプログラムも組めますが、食事が追いついてこない場合や、身体に負荷がかかりすぎてしまう場合もある。そんなときに「きちんと休むのも戦略的に必要ですよ」とお伝えします。「僕も週2回のトレーニングでもこの身体を維持できるので、しっかり休むのもトレーニングの一貫です」と伝えて納得していただいています。
〜 『考え方を一つにまとめなくていい』その方にベストな方法を探しつつ、それに寄り添うのがトレーナー 〜
中澤:それは大事ですね。僕もいろいろな考え方やエビデンスがあるので、一側面だけの理論にならないように注意するのが大切だと思っています。「これは絶対こうだから!」って言い切らない。『広い視野をもって様々な側面からアプローチする』のが僕の考え方なんですよ。
大池:たしかに言い切りすぎ問題がありますね。よくクライアントに聞かれるのが「どれが正しいことなのかわからない」ということ。今はYouTube見たら『正しいスクワットのやり方』とかめちゃくちゃな数の動画が出てくるので「どれを見たらいいの?」と結構聞かれます。
中澤:たしかに。
大池:僕自身、中澤さんとか知り合いのビルダーさんの動画を「この人のだったら俺が信頼しているから大丈夫」と紹介しています。そのときに付け加えるのが「“言い切る”人は、なるべく避けた方がいい」と説明していますね。
中澤:それはよくわかります。そもそも人間の身体のことはまだ明確に解明されていません。だからこそ現在身体の構造を勉強するために僕はフランスにいる。『考え方を一つにまとめなくていい』と考えていますし、その方にベストな方法を探しつつ、それに寄り添うのが本当のトレーナーの姿だと思います。最終的なゴールから逆算して、しっかりとプログラムを組んでやっていきたいですね。
前半のインタビューでは、中澤さんがパリをメイン拠点とする経緯、トレーニング方法やプロのマインドを語っていただきました。
現在フランスで活躍する中澤さんのパーソナルトレーニングはオンラインでもやっています。
中澤さんのトレーニングはこちら。
中澤さんの対談はまだまだ続きます。
後半では口コミだけで活躍する秘訣や、ファンの作り方、中澤さんや大池代表も思わずファンになってしまう『日本が世界に誇る偉大なボディビルダー』である“あの選手”の話しも出てきます。
ぜひ「誰なのか?」を予想しながら後半もお楽しみください。
後半はこちら。